ホワイトレター 1922年9月「初秋の候、狭霧に惑う御霊鎮め」【リーフNo.03-0081】

この記事は株式会社アルパカコネクトの運営するPBW「ホワイトレター」第3回シナリオにおける、個人ごとのシナリオ参加結果『リーフ』を共有するものです。



 【青空調査】に集うメンバーの役割は、二手に分かれる。
 紋床殿、周辺の河川を調査し、その秘密と聖女の関係を解き明かすことを目的とした班と、彼らの行動を容易にするための撹乱班――配達をこなしながら、聞き込みと列強の調査員に対応する――だ。

 例え別の目的があっての配達とはいえ、配達の仕事自体が重要なことに変わりはない。
「じゃあ皆も気を付けて、頑張ってね!」
 レナ・ドレッセルが勢いよくカバンをひっかけて手を上げた。
 リュリュ=ソレイユは近寄り、レナを励ますように声をかける。
「レナさんが言うとおり、郵便屋さんに不可能はないと、わたしも信じています」
「うん。ありがとう!」
「わたしたちを信じてくれる皆さんのためにも、頑張りましょう!」
「くれぐれも気を付けてください。配達する手紙に何かあってはいけませんから」
 シルヴァイス=ルビーチェンがレナを気遣った。
 恐らく、レナは目立つ。列強の監視はついて回るだろう。
 さすがに手荒な真似をすることはないと思うが、できればついて行きたいぐらいだ。
 だが届けられるのを待つ手紙は大量にあった。
「大丈夫だよ!」
 手を振って互いの今日の活躍と安全を祈りつつ、それぞれの仕事に散っていく。

 ガリィ・ベルは配達先ごとに手紙を仕分けながら、『聖女の手紙』について考えてしまう。
(読まれた手紙を無視されちゃったら、届かないのと同じだよね)
 ガリィが「わたしをみつけて」という手紙を受け取ったのだから、ちゃんと見つけてあげなくてはならないと思うのだ。
「……おや、この手紙」
 同じように仕分け作業をしていたカペラ=イルマーレが、一通の手紙を取り上げた。
 行きつけの花屋の店主宛のものだったようだ。
「これは、責任もってしっかりと届けないといけませんね。さて、行きましょうか」
 白い花のバッジをつけた配達カバンを抱えてカペラが向かったのは、自分のゴンドラだ。
「ガリィさん、途中までワタシの船に乗って行きますか」
「はい、お願いします! 商店街の辺りで降ろしてください」
 カペラの船は、穏やかな水面を滑るように進んでいった。


 リュリュが『反戦の聖女』から受け取ったのは手紙だったが、紙片で受け取った者もいる。
 だが内容は全て同じだった。
「聖女様、どこにいるんでしょうね……」
 少しでも手掛かりを得ようと、聖女に宛てた手紙もずっと持ち歩いている。
 でも今は。
「まずはお仕事です!」
 街の郵便屋さんであること。これはリュリュが今、自信をもって果たせる仕事だ。
 配達先には避難民もいた。リュリュは少しでも不安を慰めようと、慰霊祭のイベントに誘う。
 心理的に孤立している人々は、誘われることでこの街の住人になれたと感じるはずだ。
 そうして配達の仕事をこなしながら、行く先々で尋ねる。
「『反戦の聖女』について情報を集めているんです。知っていそうな人はいませんか?」
 自分の名前を名乗り、知っていたらいつでも手紙で知らせて欲しいとも伝える。
 さらには学生が集まる店に立ち寄り、店主やそこにいる学生達に声をかけた。
 これは本当に情報を集めているという理由もあるが、わざと列強の注目を集める目的もあった。
 仮に列強の調査員が配達員を監視しているなら、多少わざとらしくても監視対象を増やしてやれば仕事がしづらくなるはずだ。
「何でも構いません。できれば他の方にも広めていただけませんか。よろしくお願いします!」
 リュリュは慰霊祭当日まで、そうして仕事を続けた。
(担当マスター:樹 シロカ)

【獲得タイスキル】
レナ・ドレッセルの『知己』
港湾区避難民の『感謝』
カペラ=イルマーレの『仕事仲間』
ノア トリウナムの『仕事仲間』
シルヴァイス=ルビーチェンの『仕事仲間』
フィオデリア・ペトラルカの『仕事仲間』
リナルド・リナルディの『仕事仲間』
エシャメル・コッコの『仕事仲間』
シルエイティ・ワンビアの『仕事仲間』
ガリィ・ベルの『仕事仲間』
ソラリス フラムの『仕事仲間』
ヴェーチル シーヤの『仕事仲間』
トゥーリの『仕事仲間』
堧・幫・嚨娟の『仕事仲間』

【青空調査】
たくさんのことが起きていて大変そうですが、《街の郵便屋さん》として中央区で郵便配達を行います。
聖女様へのお手紙と、聖女様からのお手紙も引き続き持ち歩いています。今さらですが、わたしが受け取ったお手紙と「紙片」の違いについても確認できればと思います。

わたしに《列強》の人たちの目を向けさせたいので、
●目を付けられているだろうレナさんと接触して、情報交換をしたり、笑顔で励まし合ったりしたいと思います。「聖女様、どこにいるんでしょうね……」「レナさんが言うとおり、郵便屋さんに不可能はないと、わたしも信じています」「わたしたちを信じてくれる皆さんのためにも、頑張りましょう!」
●《追加案件》を通じて「リュリュ=ソレイユが反戦の聖女の情報を集めているので協力者を求めている」という話を広めて欲しいとお願いします。
●スティグマ《学生のたまり場》を活かし、変わった噂が無いか、情報収集したいと思います。わたしが聖女様の情報を集めていることも広められればと思います。
「リュリュへのお手紙、お待ちしています!」

中央区の人たちに限らず、港湾区や南西区から避難してきて、不安を抱えている方も多いでしょうから、慰霊祭のイベント、特に友だちが歌う芸術祭についてお話して、興味を持っていただき、足を運んでもらえるようにお誘いしたいと思っています。
慰霊祭当日の配達の際には、白いデイジーのバッジを付けていきますね。