2022年夏~秋に開催された『シマナガサレ』で、システム開発/コンテンツ作成を担当された25氏さんにインタビューを行いました。『シマナガサレ』以前には『こんにちはオンライン』『25th Anniversary.』、この年末年始には『25’S PARTYBOX』(にごパ)の運営を行っていた25氏さんのゲーム制作にかける思いを、是非ご覧ください。
- 自己紹介
- 『シマナガサレ』のコンセプト『一人で生きるのは難しい』
- 「対戦(PvP)ゲームがあるなら協力(Coop)ゲームがあってもいいよね」
- 工夫した点と目指すゲーム像
- ゲームと交流の相互作用
- システムによるロールの説得力
- 意思疎通のコストを削減
- ゲームの課題
- 開発・運営を通じて得たもの
- 楽しかったところ
- 得たもの、学び
- 辛いところ
- 『うでらびゲー』のこれから
- 最後に……サプライズ!?
自己紹介
——今日は「WoodenRabbitWorks」(以下、「WdRbWorks」)の代表作品として『シマナガサレ』のお話を中心に、25氏さんが手掛けられているゲームについてお伺いさせてください。まず、25氏さんご自身の紹介と、サークル「WdRbWorks」さんの紹介をお願いできますでしょうか。
25氏:こんにちは!25氏(にじゅうごし / にごし / にこし)です。普段はいちプレイヤーとして定期ゲやキャラ交流ゲーム、そのほかオリキャラを登録するタイプのゲームなどをしています。
「WdRbWorks」は人間と電子存在と兎の置物からなるオリジナルキャラクター登録型非同期ウェブゲーム制作サークルです。広報や運営関連をうでらびさん(@wdrb_works)に、サイト外観やロゴといったデザイン関係をシヤマハミさん(@sha_pa_)に任せ、自分は主にゲーム含むシステム部分を担当しています。
今回はゲーム部分のお話が多そうなので、25氏が代表してインタビューを受けさせていただきます。
ちなみに名前の由来ですが、もともとは『二十五秒』という名前で、そこに氏(Mr.)が付いて今の名前に落ち着いた形です。
『シマナガサレ』のコンセプト『一人で生きるのは難しい』
——『シマナガサレ』のコンセプトについて教えてください。
25氏:『シマナガサレ』は『無人島サバイバルクラフトゲーム』であり『オリジナルキャラクター交流ゲーム』であるという、2つの要素の交わるゲームです。
その中で大事にしているコンセプトは『一人で生きるのは難しい』というところでしょうか。
一人で生存するためには水も食糧も道具も必要で、それを限られた時間の中で調達するのは至難。だから誰かと共に、協力して生きる……というのを重視して作っています。
これはやった人しかわからないと思うんですが、実際のところ時間と体力のバランスはそこそこシビアだったと思います。
■余談
『シマナガサレ』は元をたどると2020年のエイプリルフールネタとして出した嘘告知が発端ではあるのですが、その前々からもしゲームを作るなら…といった妄言として漂流モノのゲームのアイデアを語っていたところから始まっており……
なので、多分3年くらいの歴史はもうあるかもしれません ひえ~
——サバイバルを通じて他のプレイヤーと協力することで、仲間意識が芽生えて、島のメンバーが大好きになりました!序盤、飲める水を入手するまでが大変でしたね。他の人に「水をください」と言うか……結構悩みました(笑)。難易度については、実際にプレイ後アンケートも取っていらっしゃいましたが、シビアと感じた人が結構いらっしゃったのでしょうか。
25氏:けっこういたようです。(正直)
特に水は……まあ、喋ると喉が渇くんですから、そりゃ足りなくなりますよね。
具体的な数字は上げられないのですが、特にラージサイズ(20~30人規模)の島では行動に対する要求リソースがキツめに設定されていたのもあり、かなり困窮している人たちもいたようです。
経験者はともかく、初心者向けではないのでその辺りはもう少し調整はするかもしれません。
——2021年4月1日に『シマナガサレ』の最初の告知がされてから、システムとしてはその後次々と発表されたタイトルで徐々に作り上げられていった印象はありますが、コンセプトはぶれていないように感じました。
25氏:コンセプト自体は21年の告知時点からほとんど変わってないですね。
告知をした段階でもうサバイバルクラフトやるぞ!となっていたので、そこから必要な要素や技術をリサーチしたり組み合わせたり、周囲に相談したり技術を授かったり……としっかり動けていたかもしれません。
とはいっても、本格的に実制作へと動き始めたのは21年10月(『こんオンα』)からなのですが。
2021年10月29日からαテストを開始。1日1回以上あいさつをしながらまだ見ぬ誰かと会話する、「短文交流型」ロールプレイチャットサイト。プレイヤーは世界や言語の壁を超えて繋がる不思議な通信機「H3110」を操り、世界の誰かと交流を深めることが目的。
最初はなんと5文字しか発言することができず、毎日あいさつをすることでKP(こんにちはポイント)を貯めると、発言可能文字数や機能が拡張される。
——「こんにちはオンライン」は、シンプルなつくりから、キャラクターの登録やチャット機能の修得が目的なのだろうな、という印象がありました。その後のゲームとも共通しますが、交流にかかる負荷が小さくて、楽しかったです!
25氏:楽しんでいただけて何よりです!
当時から交流負荷の削減には凄く凄く意識をしていて(これには自分が能動的コミュニケーションが苦手だからという理由があります)、そのあたりを楽しんでいただけたのならこの上なくありがたいです。
『シマナガサレ』を制作発表した段階では自身のゲーム制作スキルは制作するには程遠く、(ゲームとして運用するための)PHPを学ぶ……というところからスタートしていたため、テストを兼ねて作品を生み出すことでスキルを得るという方策を取っていました。
『こんオンα』では登録とログインとチャット、『25th Anniversary.』ではアイテムや座標の管理を……といった形で技術習得を平行していました。
なので、それらを楽しんでいただけた方がいるのであれば、Win-Winですしとてもありがたいことですね。その節はありがとうございました。