ホワイトレター 1922年11月「晩秋の候、溢るる沛雨に石蕗の散る」【リーフNo.05-0125】

この記事は株式会社アルパカコネクトの運営するPBW「ホワイトレター」第5回シナリオにおける、個人ごとのシナリオ参加結果『リーフ』を共有するものです。

●命育てる人々と

(危険な場所にはそれなりの共通点があると思うんだよね)
 リュリュ=ソレイユはハザードマップを参考に、バツ印が付いた危険な場所と特徴が似通っている場所を訪れた。
(大当たり、だね……)
 畑の近く。多量の水を含んだ土は、踏み込んだ者を容赦なく水路へといざなうだろう。
「皆さん、この付近は特に危険だと考えられます。可能な限り早めの避難をお願いいたします!」
 地図にバツを描き入れながら声を張り上げ、リュリュは住民に訴えかける。
「嫌だよ。わしゃここから……わしの畑から離れたくねぇんだ」
 古くさい家からのろのろと現れた老人が、リュリュに寂しげな瞳を向ける。
「その気持ちはわたしにもよくわかります。ですが……」
「嬢ちゃんに何がわかるってんだ!」
 老人がリュリュに怒りをぶつける八つ当たりする。リュリュの表情は曇らない。
「わたしの実家も花の栽培をしているんです。よく見て大切に育ててあげないと、花はちゃんと育たないですよね。畑だってきっとそう」
 老人の小さな瞳をまっすぐ見つめて、リュリュは冷静に諭す。
「これまで大切に見守ってきた作物いのちから目を離すのがとても怖いのはわたしにもわかります。けれど――」
「あなたの命が無くなれば、次の作物いのちを育てることは永遠に叶いません。だから今は助かって、もっと遠い未来まで作物いのちを繋いでほしいなと、わたしは思います」
 老人の瞳に雨が落ちて、しわくちゃの頬を伝った。
「わたしも公社にできるだけの支援をお願いします。ですから今だけは――」「わかったよ」
 老人が踵を返す。リュリュは回り込んで避難呼びかけのパネルを見せた。
「わたしも同行しますので、避難の際にはこちらに書かれていることをお守りください!」
「……お人好しだな」
 老人が泣き笑いを浮かべる。
 リュリュはできる限りの努力をしようと固く誓いながら近隣住民一人一人に声をかけていった。

(担当マスター:眞石ユキヒロ)

【獲得タイスキル】
北区避難民の『感謝』
モカラ・ファミーユの『仕事仲間』
シスネ・ティールの『仕事仲間』
トゥーリの『仕事仲間』
Lumie=Ver=Beataの『仕事仲間』
リヒャルト・フックスの『仕事仲間』
エレノア・バーンホストの『仕事仲間』
アスール・エアの『仕事仲間』
ブラウ・フィッセルの『仕事仲間』
ソニス ソリイの『仕事仲間』
テオドルス・デ・スヴァンの『仕事仲間』
エステル・アークライトの『仕事仲間』
ルシエ・ルラ・バウチャーの『仕事仲間』
クリストファー・シュヴァルツの『仕事仲間』
楪葉・栞の『仕事仲間』
エウラ・アルセイスの『仕事仲間』
ジョナサン・C・マツナガの『仕事仲間』
マヤー=ユサンディアの『仕事仲間』
チャンダの『仕事仲間』
ユニーフィア・シャオンスの『仕事仲間』
ステフ・プリンセンの『仕事仲間』
モネール=フィリーロウの『仕事仲間』

【情報配達】
北区支部を拠点として、手紙の配達と避難依頼、避難誘導を行います。雨具やカバー、滑りにくい雨靴といった装備を自他のために整えます。

手分けや情報交換をして、ハザードマップ上特に危険と考えられる地域を優先して配達と避難依頼。説得の材料や多言語への対応として、避難の呼びかけにパネルや写真等をフル活用します。要支援者を中心に、早めの避難を促し、避難所への誘導を行います。

避難場所や避難経路を実際に現地確認し、安全な場所であるかを確認した上で、徒歩・車両・馬などの交通手段に適した経路を提案できるようにします。車両が有効活用できる箇所であれば、連携先にお願いをします。自分の目で確認することで説得力も増すと思います。

地区ごとの事情や、避難が難しい事情がある方もいらっしゃいますから、その事情をお伺いして記録するとともに、一緒に解決できそうであれば試み、個人では難しそうであれば支部に持ち帰り相談します。農家の事情には【農業従事者】として寄り添います。氾濫が起きてしまった場合にはフィッセル先輩同様に【小型船舶操船】にて救助ボートを出し、逃げ遅れた人を救出。場所の目星をつけておきたいと思います。

北区の方とはまだ、米農家さんとの『新米5kg贈呈』の縁かもしれない。でも、折角繋いだ縁を大事にして、手紙だけではなく、積み上げられた治水対策の知識や情報、安心と安全を届ける【街の郵便屋さん】を目指します!