《継続登録》感想: Eno.10「Melty Apricot」みおのひとひら

「みおのひとひら」書影。メッセージカードのミオさんも可愛い!!

霜月 桜花(アサツキ)さんのサークル「Melty Apricot」(Eno.10)では、定期更新型ゲーム「Mist of War」(霧戦争、MoW) 4期の小説本「みおのひとひら」を購入しました。「Melty Apricot」は「まよなかラボラトリー」(Eno.9)と”僚機”設定をされているのですが、この本の主人公は霧戦争4期で実際に僚機同士ということです。

イバラシティPCのアクスタ、タワムレガキPCのアクキーも

「Melty Apricot」の本とグッズは《継続登録》終了後も、BOOTHで購入可能です。

みおのひとひら

主人公であるミオさん(天ヶ瀬 澪)のことは、今回の本で初めて存在を知りました。BOOTHの説明文から、彼女が戦場で死亡する(霧戦争において、システム的に実際に亡くなったんだろう)こと、期の終盤(第34回更新~)の話であることにも興味を惹かれました。

ミオさんは13歳の少女の霊ですが、物語開始時点ですでに、ミオさんは精巧なヒューマノイドの身体を手に入れています。残像領域では「霊障」と呼ばれる不可思議な現象が起きる場所。霊という存在も自然に受け入れられています。見た目も心も「乙女」を感じさせるミオさんですが、戦場では旧型で頑丈、電磁アックスを振り回す近接攻撃型のハイドラ(ロボット)『ゼービシェフ』を駆ります。

ミオさんの「保護者」であり「僚機」、そして淡い思いを寄せられている好青年、ニーユ=ニヒト・アルプトラさんの物語は、まよなかラボラトリーさんの「多脚百跡夜行」で読むことが出来ます。海を見たことがないというニヒトさんと「一緒に海を見たい」ということを願うミオさんの思いは、時に甘酸っぱく、そしてせつなく、全編で読者の心を抉ってきます。

本書は文庫本サイズに、幼く、危うく、儚い、けれど意志の強さを持ったミオさんの不思議な物語とその背景が、7篇の物語で構成されています。「もくじ」から第何更新にあたる話かが読み取れるのは、定期更新の結果を反映していて「らしい」なと感じました。各タイトルに添えられた口絵や、演出の見せ方も、この本の魅力を高めています。きらきら、つやつやとした本で、本当可愛い。表紙のモュさんのイラストも可愛い。

本を読み始めると、舞台となっている場所や彼女の生活、心の中の描写が丁寧で、仮に霧戦争を知らなくても、すんなりと没入して、ミオさんに寄り添いながら読み進められるものと思いました。霧戦争を知っていれば、散りばめられたワードから、より深くイメージが湧いて、にやりとしてしまうことでしょう。

ツイートの告知にも書かれていましたが、あとがきにて「まよなかラボラトリー」さんの「多脚百跡夜行」を読むように勧められており、「みおのひとひら」読了後にそちらを読んだのですが、ミオさんから見た視点や、感情移入があった上で読むと、ミオさんが想うニーユさんはこんな人だったのか!!!という驚きがある。また「多脚百跡夜行」は霧戦争4期当初から物語が始まっているので、ミオさんが文中で思い浮かべる人物たち登場人物たちや、乗っているハイドラについてもぐっと解像度が高まり、読了後に「みおのひとひら」を読み直すと、情景や思いをより想像できるようになりました。

《継続登録》終了後も、BOOTHでpixivFACTORY製本版が入手可能になっています。「多脚百跡夜行」と一緒に読もう!!

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