『妖刀蠱毒百鬼譚』1巻発売!原作者 貴渡 荒波さんインタビュー

「漫画原作者」という仕事~分業とチームワーク

――そもそも「漫画原作者」とは、どんなお仕事なのでしょうか?

貴渡: 昨今ではすっかり、「ネームを切る」「ペン入れをする」とか、漫画制作の作業内容について一般の方も知悉しておられると思うのですが、この一番最初の「ネーム」というのを作る前に、話の流れと台詞がないといけないわけです。

今回の話ではキャラクターAとBの間でこんな会話が展開され、新たな問題がでる。その問題を解決するためにキャラクターCが情報をくれる。AとBは情報に従ってD洞窟に行き、その一番奥にあるという問題解決のキーアイテムを取りに行くことになる……みたいなざっくりした話の流れと、詳細な台詞や、しぐさ、簡単な構図、アクションなどを、まさに脚本のように書いて提供する、というのが漫画原作者の仕事になります。

――なるほど、原作者であり、脚本家、あるいはシナリオライターでもあるのですね!漫画家さんや編集者さん等とチームで行うお仕事だと思うのですが、役割分担やアイデアのすり合わせはどのように行われているのでしょうか。

貴渡: ここはチームごとに異なるかなと思うのですが、『妖刀蠱毒』チームは基本的に分業ですね。週1で編集さんと会議を行って、出した原作原稿に対し精査いただいて、それを作画の市篭先生にお伝え戴き、市篭先生が原稿を完成させた後、編集さんと、場合によっては私のチェックを入れてブラッシュアップし完成、という感じになります。

ときおり、編集さん経由で市篭先生からアイデアや要望を戴いて、それを取り入れたりもします。またこれも楽しいんですよね……!

――「原作」は、貴渡さんからはどのような形で共有されるのでしょうか?

貴渡:色々な共有形態があると思いますが、私の場合は単純なテキストファイルと、それを縦書きにしたPDF原稿ですね。

絵心がないもので、何かを描いて伝えることは稀です。ただ、編集のOさんに絵心があり、私の発言を汲んで絵を描いてくれたりします。私と市篭先生のみならず、この編集Oさんがいることで成り立っている作品です、『妖刀蠱毒百鬼譚』……(迫真)

――貴渡さんのイメージから、市篭さんが作画されたものを見たときの感情、感想について教えてください!

貴渡: 最初に顔合わせしたときに、市篭先生がざっくりと幾人かのキャラクターラフを描いてくださったんですが、自分が考えていたものが白いキャンバスに削り出されていく過程は、驚きと感動で呆けてしまうような思いでしたね。

実の所、桐丸に関してはビジュアルイメージを文章でだけ持っていて、初めて桐丸がイラストになっているのを見たときは、『お前こんな顔してたんだなあ』と……何と言うんでしょうか、それこそ水滴が落ちるように納得したのを覚えています。『イメージ通り』とかではなく、『そうなんだな』と理解したというか。

市篭先生とのコンビは、当時の担当編集氏が方々を駆けずり回ってマッチングしてくださったということで、担当編集氏にも、市篭先生にも、深く感謝し感激したのを覚えています。