制作者に聞いてみた -零錆戦線-

■「零錆戦線」の時系列やコンセプト

──零錆戦線は時系列でいうと、「グレムリンズ・ギフト(GsG)」後の、「七月戦役(七戦)」の後、という形でしょうか?

霧のひと:そうですね、GsGというゲームがあって、それは結末を迎えたのですが、その結末から16時間の間に見ていた夢が七月戦役であって、その夢から覚めた後の世界……GsGの16時間後から始まるのが「零錆戦線」です。でも、イベントを全部経験しているキャラ限定というわけでなく、参戦は自由な感じで、何も分からず昏倒して目が覚めた全く新しいキャラでも問題ないようになっています。

──錆戦は前二つの作品の後にある作品なんですね。
前回は「ゼロの城砦」についてのお話を伺いましたが、GsGから錆戦までの3作品、それぞれのコンセプトはありますか?

霧のひと:GsGでは単純に「霧戦争2.0」として開発を進めていました。GsGの途中でマップが登場し、歩けるようになったことで、新たなゲームとしてのコンセプトが構想に上がりました。それのテストが七戦であり、「七戦2.0」となるのが錆戦です。

錆戦の大きなコンセプトとしては「好きなように戦い、共に歩くゲーム」といった感じでしょうか。競い合うゲームではないですし、みんなで頑張って結束しなければいけないゲームでもないです。好きなように歩いて、最後は同じ場所に向かってゴールする、という。

──それぞれが進化を遂げていったのですね。
各々が自由に戦場に赴き、その結果共闘し、目的を果たすことを目指すゲーム。

霧のひと:そうです、例えば七戦も錆戦もフロントライン(FL)というポイントがあり、FLを稼ぐことがゲームの目的ですが、七戦では個々の戦場でプレイヤーが頑張らないとポイントが下がったりしました。錆戦ではポイントは下がらなくなりましたので、みんなが「好きなように戦ってポイントを稼ぎ」、足を引っ張ることなく「勝利を目指して共に歩くゲーム」へ調整してきました。

──FLはマップの制圧具合みたいな物で、これを25箇所埋めて最終戦をするのがゲームの勝利条件でしたね。

霧のひと:そうなんです。マップの中央からみんなで歩いていき、戦うことでFLが領域に溜まっていき、ボーダーを越えるまで戦い続けるのがゲームの目的です。各々好きな領域を担当したり、歩き回って手助けしたり、そうやってゆるく協力して領域を全部開放(制圧のようなもの)して、最終戦へ向かう、といった感じですね。

──敗北でポイントが下がらなくなった分、動きやすく、共闘もしやすくなったんですね。

■ 「零錆戦線」が影響を受けたゲーム


──霧のゲームは進化している、という話でしたが、錆戦を作る上で影響を受けたゲームはありますか?

霧のひと:基本的に霧のゲームは過去作の発展形なのですが、今回大きく影響を受けたのが、「試行領域」というゲームで、簡単に言うとすごくシステマチックなPvPバトルに特化したゲームなのですが、そのシステマチックさにかなり影響を受けて、タイミング効果(スキルのようなもの)を全て調整したりしましたね。

──試行領域ですか!PvP、対人に特化した定期更新型ゲームですね。

「試行領域」とは、2020年10月頃に始まったPvP型の定期更新型ゲームで、2021年8月現在、第7回大会が開かれている。トップページには「キャラクターを作成し、トーナメント形式で戦うゲームです。」と、書いてあり、その他の説明も殆ど無いため、参加してみないとわからない面白さがある作品だ。
試行領域:http://133.130.112.98/trialarea/


今回、錆戦では、全てのパーツがタイミング効果で動いてくれるので、わかりやすいですよね。

霧のひと:効果量明記や挙動の説明、キーワード化など、かなり参考になって、分かりやすくできたと思います。試行領域、すごく面白いです。