「IDEA CRAFTERs」が終了-来年に2期開催?

振り返り

参加者の数だけ「IDEA CRAFTERs」の楽しみ方はあったと思うが、「Rの手記」管理人が考える「イデクラが楽しかった点」を振り返りたい。

快適なプレイ環境

有志の無料運営ゲームとは思えないほどクオリティが高く、スマホに対応したおしゃれで現代的なサイトも「IDEA CRAFTERs」の特長だが、ゲームのシステム面もユーザに優しかった。

例えば、レシピに書かれたアイテムを揃えれば、製作は絶対に失敗しない。また、素材となるアイテムも、やみくもに探索する必要は無く、「フォーカス探索」をすれば目的のアイテムが確実に手に入る。

「ランダム探索」にもメリットがあり、フォーカス探索に比べて数多くのアイテムが手に入る。APの消費は「探索」でのみ消費するので、時間が無い時には「とりあえず現在のAPを使ってランダム探索」しておけばAPを無駄にしくくなっていた。

日々のエリアやアクションの開放(解放)は、「その日の目標」を立てる上で良い指針となっていた。当初予定よりもエリア開放はゆっくりとなったが、アクションやエリアの開放効果を持つアイテムを作成するだけでなく、ゲームの進行に関係しないアイテム(例えば料理や建築物など)も作ろうと思うと、結構手間暇がかかることもあり、個人的には結果的に丁度良く過ごしやすいペースになった。

未開放のエリアも名称が最初から判明していて、「マスターキー」や「巨大ロボットのパーツ」みたいな、すぐには作れないけれどワクワクするような公式アイテムのレシピが見られるのも、世界観を想像する助けになって良かった。

交流やロールのフック

他の復興者との交流や、ロールプレイのきっかけになるような仕組みが多く、キャラクターを動かしやすい、交流しようと思えば活かせる「フック」がたくさんあった。

毎日「日記」という区切りがあり、地点ごとにチャットが分かれているため、日を跨いでの連続した会話は難しく、準リアルタイムでの交流が中心だった。まとまった時間が取れないと交流がしづらいが、これは「トバトバ」「こんにちはオンライン」の流れを汲む交流中心のゲームの性質上、割り切らざるを得ないものと思う。

滞在エリアでの行動ログから積極的に絡んで行くこともできたし、他者の行動やチャットを踏まえて反応してみたり(Twitterで言うところの空リプ)、アイテムを欲しい・渡したいとアピールすることで、交流のきっかけにしたり……その時その場の交流は非常にしやすかった。行動ログは送信しないこともできたので、交流を望まないときはひっそりすることもできた。

「雪山爆破」の思い出

「爆破」による探索は、それまで鉱物や石材を探索するのに使われていた「採掘」とは比べものにならない量の石が採れたため、「爆破」実装後の雪山は爆発音が絶えなかった。

「取りやすい箇所にある石材が減ってきているようです。」というアナウンスとともに、獲得数が従来の1/3に調整され、雪山爆破に関するログや発言は落ち着いていった。

写真は《継続登録》「アイコン60pxの会」からお迎えした「雪山爆破」

復興者のプロフィールには「居場所」が表示されていたため、話したい相手がいる場所に出向くことができたのも良かった。

また、直接言葉を交わすことがなくても、他の復興者のレシピを参照し、発展させることで、緩やかなつながりを持つことが可能であり、レシピの作者に勝手に親しみを覚えることもあった。

「Colorful OneRoom」で「たからもの」を人に渡すRPが可能だったように、「IDEA CRAFTERs」もちょっとした贈り物だったり、ただひとりに渡すための特別な品だったり、アイテムの交換を通じて特別なロールプレイを楽しむことができた。

食べ物がちょっとした実利を持つ(「栄養」の数値に応じてAPが回復する)のも、ちょっとした贈り物や返礼品にしやすくて良いなと思った。

オリジナルレシピの制作

交流する余裕がないときには、「まだレシピの無いアイテムを自分で創り出す」こと、「他の人の公開レシピを作ってみる」こと、どちらも充実した「一人で楽しむ時間」を与えてくれた。

以下は最終日に「ハヤシライス」を作ったときのメモ書きだ。

凝った食事を創作した日もあったが、最近は手抜きをして研究所で拾った(いつのものとも分からない)レーションを食べたり、同じ料理を繰り返し食べたりしていた。最後の昼食はまともなものにしようと、豊富な食事のレシピが公開されている「掲示板」を確認した。

何かしら材料を指定して条件を絞ろうと「マッシュルーム」を使用するレシピを検索し、目についた「ハヤシライス」を作ることにした。

ハヤシライスを作るには、こちらもオリジナル公開レシピの「ドミグラスソース」が必要。掲示板の検索からレシピを習得した。更にドミグラスソースには「ローリエ」が使われており、このレシピも習得した。

緑色の文字で表記されているのがオリジナルのレシピ。それ以外は公式アイテム(画像は「IDEA CRAFTERs」ゲーム画面のスクリーンショット)

ローリエは「月桂樹」を「焙煎」することで作ることができる。肉料理や煮込み料理を作るのに便利なこの香辛料は、たくさんのレシピに派生していた。また、このローリエの使用時テキスト「これ一つで世界が変わる。」がすごく格好良いと思った(Aさん #166 のレシピ)。

月桂樹は手持ちになく、どこで手に入るのか調べると、「神域」の探索でのみ手に入ることが分かった。

神域自体に入域条件はかかっていない(日数経過で入域可能)ものの、雪山か火山を越えた奥地にある。この地でハヤシライスを作る条件、過酷すぎるだろう……と思いつつ神域に向かった。

神域の探索アイテムの種類は少なくないため、ランダム探索ではなく、フォーカス探索で月桂樹だけを狙って入手した。いざ「ローリエ」を作成しようとすると、作成可能レシピに出てこない。「何で?!」と思ったら、「焙煎」のためのアイテムを持っていなかった。これまで料理に必要としてこなかったため、作っていなかったようだ。

「焙煎」の効果を持たせる条件を確認して、「空き缶」に「木の棒」をくっつけて、「炎の魔晶石」で加熱するという焙煎のためのアイテムを作成した。

こうしてようやくローリエを焙煎して手に入れ、一歩前進。いざドミグラスソースを作ろうとしたら、牛肉が足りない。さっき革にしちゃったんだよな……と思いつつ、河原で簡易狩猟、フォーカス探索を行う。獲りたての牛を牛肉へと加工する。他に必要な材料となる加工品であるバターやワインは手元にあった。余分に作っておいて&消費できてよかった。

こうしてようやく「ドミグラスソース」ができた。「ハヤシライス」の作成に取りかかる。パセリと(再び)牛肉が足りず、パセリは川辺で食物探索のランダム探索、牛はフォーカス探索で手に入れた。

こうして「ハヤシライス」は完成した。いろいろ飛び回って探索を行い、焙煎のためのアイテムの製作も挟んだりと苦労したように思うが、時間にすると、レシピを調べてから約15分で出来上がった。

ハヤシライス、ドミグラスソースはラーザさん #25 の公開レシピを使用させてもらった(画像は「IDEA CRAFTERs」ゲーム画面のスクリーンショット)

また、「レシピを公開する」ことで、他の人が自分の作ったアイテムレシピを元に、更に発展させたレシピを作成したのを確認したときには、驚くと共に、喜びによる衝撃が身体を駆け巡った。素材にするために作成したアイテムだったとはいえ、誰かが検索でたどり着き、発展させてくれたことはとても嬉しかったし、直接ことばを交わさなくても、同じ場所で同じ時を過ごしたのだと感じられたことが嬉しかった。

もし来年2期があったら、意図的に「苦手なこと」を作って、他の人を頼りやすいキャラクターで参加する、もしくは「これを作りたい」という願望があるキャラクターで参加することで、1期よりも更に他の復興者との交流を深めたい。この特徴を併せ持つのも良さそうだ。

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